春見の手記

まだ何かくかも未定です

『オタクは絶対見るべきだ』ーレディ・プレイヤー1紹介/感想 (1)

 4/29 昨日、『レディ・プレイヤー1』を見に行った。『レディ・プレイヤー1』はスティーブン・スピルバーグ監督によって創られた今流行りの仮想現実を描いたSF作品である。原案は世界的なベストセラー作家であり日本ポップカルチャーオタクであるアーネスト・クラインの『ゲーム・ウォーズ』。こちらの作品は、SBクリエイティブから出版されている。

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

ゲームウォーズ(上) (SB文庫)

 

 この作品は仮想現実がテーマだと記述したが、Wikiによれば仮想現実とは、物・実物(オリジナル)ではないが機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系であると書かれていた。簡単に言うと、現実とは違ったもう一つの世界である。

 

レディ・プレイヤー1』は、そんな仮想空間を舞台にしたワンピースさながらの財宝探し合戦を繰り広げる物語なのだ。何故ワンピースなのかって、それは今作の仮想空間である『オアシス』を作った製作者ハリデーが、その死に際に「オアシスに隠された3つの謎を解いた者に、全財産56兆円を与え、オアシスの後継者とする」と言い放ったのだ。それによって、突如として財宝探し合戦が始まるのだ。そして、主人公「ウェイド」もそんな財宝探しに準ずる一人なのである。

 

 そんな映画は荒廃したスラム街の一角から始まる。レディ・プレイヤー1の世界は2045年で、今より27年後、IT技術の発達により、今より貧富の格差が悪化した世界。そんな世界の中で、現実で不幸な身である彼らを平等にするのが、仮想空間『オアシス』の存在なのだ。オアシスでは何でも出来る。外見だって自由自在だ。オアシス内では、各種ゲームによってゲーム内通貨を稼ぎ、その金で彼らは服を買い、髪形を変える。オアシス内の惑星戦場では、銃を以て、剣を以て、時には強化アーマーを着て敵をなぎ倒す。勿論敵から倒されれば、ゲーム内通貨全ては砕け散る。そして、自分の金になる。さながら、実写FPSだ。見ていて思ったのが、超楽しそう。CODや、BFの世界を仮想空間で体感しているようなものだ、さらに倒されればゲームオーバーとなりすべてがパー、その緊張感いなや凄まじいものだろう。しかし、ゲーム内で死んでも0になるだけだ。SAOみたいに死ぬわけではない。でも、ゲーマーにとっては最高の空間なのは間違いないね。勿論、外見を変えるわけだ。それが、ゲーム空間での遊びだけに終わるわけは無いよね。その世界では、人と喋りあい、踊りあい、時には仮想空間で夜を明かすなんてことも出来る。それが、何でもありの世界『オアシス』。

 今流行りのVRchatの進化版でもあると思った。VRchatというのは、今流行りの仮想現実世界を使ったコミュニケーションサービスのこと。巷では流行っているらしいね。自分は使ったことは無いけど、Youtubeの動画か何かで見たことがある。そのサービスも外見を自由自在に変えて、人とコミュニケーションをとることが出来るものなんだ。そして、仮想空間で夜を明かすという、男女コミュニケーションの果てをも体感できる。これは、花澤健吾先生のルサンチマンがそれにあたるかな。花澤先生も言及してらっしゃった。この作品は現実でモテない中年男性が仮想空間での女性との恋愛を描く物語だ。とそんなことは置いておく。

この映画の面白さは映画の中にちりばめられた数えきれないほどサブカルチャーたちである。これが、その予告だ。


映画『レディ・プレイヤー1』予告1【HD】

 この映像の中だけでも、『バックトゥーザフューチャーデロリアン、『AKIRA』バイク、『キングコングキングコング、『オーバーウォッチ』トレーサー、『機動戦士ガンダムRX-78-2、『チャイルド・プレイ』チャッキー、『アイアン・ジャイアントアイアン・ジャイアントが確認できる。勿論、映画の作中はこんなものではない。数え切れぬほどのキャラクタ、オマージュなどが私たちの胸をくすぐるのだ。もう、私は画面に釘付けだった。もう、その目は休まることのない。時に驚き、時にはクスリとさせ、時には綻び、他の人の目には、私はずっとリアクションを続けているみたいにも見えたであろう。かと言って私は1996年生まれの21歳だし、分かったものの方が少なかったと思う。多分この作品が本当にウケるのは、1970~80年代に生まれた世代であろう。作者であるアーネスト・クラインは1979年生まれの現在39歳だ。その作者と同世代に生まれ、同時にアニメや映画などの文化に触れてきた人間はああ、これこれってなる回数ってのは飛躍的に上がるんだろうな。だって始まりからVR空間への没入と共に流れるBGMはヴァン・ヘイレンの『Jump』当時の名曲だ。たとえ当時に生まれていなくとも絶対一度は聴いたことがある名曲だがな。その曲とともに、物語が始まっていく。最初っからテンションはMAXとなるわけだよ。


Van Halen - Jump

こうして始まる『レディ・プレイヤー1』に俺たちはどんどん 没入してゆくわけだ。

彼らが、仮想空間に潜ってゆくのと同様にね。

 この作品、アニメ、映画、ゲーム好きは絶対見た方が良い作品だと思うよ。俺は中盤のシーンで描かれるあらゆる作品のクロスオーバー、これが本当に魅力だった。例のガンダムのシーンだよ。日本のあの特撮作品とあのアニメ作品のコラボ、これが現代のCGで描かれるんだぜ。それもハリウッド。それをスピルバーグは実現させちゃうんだよな。レディプレの日本愛は凄まじかった。是非この感動を劇場で。次回に、ネタバレ込みの感想を描くよ。(2410)