春見の手記

まだ何かくかも未定です

懐かし「メルト」

 Vtuberである東雲めぐさんが投稿していた「メランコリック」のカバー動画を見て私は懐かしくなった。今は、もうそれほど興味のないボーカロイド音楽も三年くらい前はよく聴いていたんだ。私がボーカロイドを聴き始めたのは意外と変わったルートを得てだと思う。当時、中学一年生、いや二年生頃かな、西尾維新さんの「化物語」がアニメ放送で始まった。その主題歌である「君の知らない物語」に惹かれたのがその最初だったと思う。懐かしい。次いでに、その頃から聞き始めたsupercellは今でもよく聴いている。君の知らない物語さよならメモリーズうたかた花火、etc 。そして作曲家であるryoさんがボーカロイド楽曲として作った「メルト」に触れたのが本当のボカロとの出会いだったと思う。

当時既に「メルト」は百万再生を超えていたのではないだろうか。そのくらい人気だったと思う。メルトは聴きこんだ。まるで小説のストーリーのような楽曲だった。恋する女の子がその譜面上に描かれていた。恋する純真無垢な女の子だ。それはまるで女子高校生の妄想のような歌詞だった。そこに描かれる女の子も、当時まだSNSが発展途上のface to faceコミュニケーションが主流だった時代の恋愛が描かれているようで初々しい香りも感じる。果たして、今の子にも通じるのだろうか。朝髪を切ったことに気付いてほしい女の子を描くなんて。今の小説でそんな描写を入れれば、逆に新しくみえるんじゃないかな。

 

 私の数歩目の前を歩く彼。

私は咄嗟に走り彼の目の前に立つ。彼は私を見下ろす。

「ねえ、今日の私は何か違わない?」

「っさあ、いつもと変わらない気がするけど」

さも何もないようにふるまう彼に腹が立った私は、彼の腹に鉄拳を食らわせてやった。ぐっと彼がお腹を押さえている中、私は大股で先を歩んでいく。数歩歩いたところで、彼が私を名を呼んだ。

「すまんすまん。似合ってるよ、その髪」

「からかいとかいらないから。私はそういうの嫌いなの」

ぷんと首を振り、歩く私を彼が追う。

「ごめんごめん、本当だからさ。悪かったよ」

 

髪形を変えてきた女の子を逆なでする男の子という状況を描いてみた。あまり、新しいものなんて感じないや。寧ろ古い。ゼロ年代ライトノベルみたいだ。

当時、日常生活アニメが台頭してきたという時代的要因もあり、メルトも流行っていたのだと思う。上記の短文も、とらドラの竜司と大河を思い浮かべて書いたのだと私は思う。かと言って、竜司はこんなことはしないよね。

当時はラノベと言っても、学園ものや恋愛ものが席巻してたよね。今じゃ、そのほとんどが異世界ものだけど、つい最近、Amazonセールで鴨志田一さんの「Just because」を買ったから、それも読んだら語りたいと思うよ。今は珍しい、本格的な恋愛ラノベだよね。(1120)